どういう経緯で購入したか覚えていないのですが、このところ海外ミステリを100頁や200頁まで読んでも一向に面白くならず、中途で投げ出すことが数回あって、これは年に一回ある小説を読めない期間になってしまったかなと思い、できれば自分に合ったミステリを読むかと思い直し、本書のあらすじを読んだところ、ピッタリではないにしても近しいかなと判断し、加えてアメリカ探偵作家クラブ新人賞受賞なら、まあ一定のレベルに達しているだろうと購入したのはいいのですが、いざ後ろの解説を読んでみると書き手が訳者でもなく書評家でもなく、早川書房の編集者でいまいち不安になりました。
舞台はアメリカ南東部にある入植当初の 13 植民地の1つで、さまざまな史跡が残っているバージニア州の中心地リッチモンドから離れた田舎町で、放火された家に刺殺された死体が発見された。
容疑者は現場から逃走したところと逮捕された。
保安官補のウィルの旧友で元フットボーラーが犯人だったが、そのようなことをすることをするものではなかった。
それを信じない犯人の肉親は私立探偵を雇って無実をはらそうとした。
作者は詩人で本作がミステリ第一作で嫌な予感がしました。
案の定、行動だけでなく、キャラクターの心情をダラダラ書き連ねて退屈だと思っていたけど、30頁ぐらい読み進めたところから、その書き方が心にしみてくる。
読みながら吉田秋生の『カリフォルニア物語』を浮かんだほどだ。
昏さが通底しているんだよね。
アフォリズムも多く描写の一つとして感じられる。
これは作者が好きなんだろうね。
加えてというか、加えられないのだが、犯人が結構簡単にわかるのだけど、その明かされかたが「えっ、ナニコレ、どうなってんの?」と驚きの声をあげてしまったぐらいあっさり明かされる。
これを「ミステリじゃない」という批判もできるけど、読み手としては意外な展開のように感じた。
とにかく伏線がなく、ストーリーが後出しで出てくる。
というわけで、なんでミステリの賞をとれたのかなといぶかしみつつ、☆☆☆★といったところです。