ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

南アフリカW杯2010・日本予選突破

■<W杯:パラグアイ0(5PK3)0日本>◇決勝トーナメント1回戦◇29日◇ロフタス・バースフェルド このようなこともあるのだと信じられない思いでした。岡田監督が代表監督に就任してから、良かったと思えるゲーム内容がまったくなかったので、たいてい…

『“文学少女”と慟哭の巡礼者』野村美月, エンターブレイン,2007

文学少女シリーズ第5作目の作品。いよいよミウと再会する井上心葉くんです。シリーズ4作目まで読んでいて、ミウというのは心葉の影であり架空の人物ではないかと考えていたのですが、4作目の作者のあとがきで書かれていたとおり、心葉の初恋の人という形…

南アフリカW杯2010・日本予選突破

■<W杯:日本1−0カメルーン>◇1次リーグE組◇14日◇フリーステート 守って守って守り勝つというアイルランドのチームのようなゲーム運びで勝利をおさめることができるなんて素晴らしいですね。前半本田のゴールで1点を奪ったときは、ドイツW杯のオース…

『神のみぞ知るセカイ 9巻』『おおきく振りかぶって 15巻』

■『神のみぞ知るセカイ 9巻』若木民喜,小学館,2010/06 この作品には主人公の桂馬以外の男性キャラがいないんですよねえ。おそらく作者はこの設定を意図的にしているんでしょう。その理由も考えてあって。なんて、今週の『サンデー』の連載で思いました。作…

『アオイホノオ 4巻』島本和彦,小学館,2010/06

なぜかオタク臭が少ないオタク物語第4巻。めちゃめちゃ面白いです。とくに『炎の転校生』に至るまでの思考過程がきちんと描かれているところ。このような考え方は、誰もがもつものですから、非常に共感を呼ぶでしょうね。学園マンガだからこそ受けていると…

『泥棒は詩を口ずさむ』ローレンス・ブロック, 田口俊樹,早川書房,1979→1994

泥棒バーニイ・シリーズ ・シリーズ全10作中3作目の作品。第1回ネロ・ウルフ賞(1979)とのこと。原著のアマゾンをみましたら、結構評価されておりました。まあ、アマゾンの評価はファンが書くものだから、あまり客観的な評価ではないけれど……。 表向きは…

『もの言えぬ証人』アガサ・クリスティー, 加島祥造訳,早川書房,1937→2003

アガサ・クリスティ21作目の長篇作品。同年発表に『ナイルに死す』。クリスティは、20年ぶりぐらい。私は海外ミステリに、クリスティの『死者のあやまち』からのめり込み始め、それから20作ぐらい読んだものです。 それに並行してクイーンの国名シリーズ、カ…

『虐殺器官』伊藤計劃,早川書房,2007→2010

「ゼロ年代の最高のフィクション」というふれ込みの傑作SF小説。単行本発行時にきちんと読んでおけばよかったと思わせる作品。私は、SFというよりも、むしろ新しい世代が書く近未来冒険小説あるいはエスピオナージととらえました。そういう意味でミステリ小…

紐と十字架』イアン・ランキン, 延原泰子訳,早川書房,1987→2005

リーバス警部シリーズの第1作目の作品。ランキンは注目していたものの、初期に翻訳されたものはページ数が非常に多く、また評価が微妙によろしくないことから手にとりませんでした。しかし、私自身がイギリスミステリに相性がよくなってきているのではと感…

『モテキ 4巻』久保ミツロウ,講談社,2010/05

あー、このマンガ読んでいると、本当に恋愛って面倒くさかった、終わって良かったとホッとしますよ。この人は自分のこと好いているのだろうか、恋愛の相手としてみてくれているのだろうか、どうやって誘おうか、なんてことを不安に感じながら一つひとつ考え…

『敗北への凱旋―連城三紀彦傑作推理コレクション』連城三紀彦,角川春樹事務所,1999

本書は、連城氏長篇第2作目の作品なんですか? 傑作推理コレクションの6作目ですし、すでに直木賞受賞後していたときの作品ですので、初期という感じがしませんでしたが、調べてみて少しオドロキ。 一言でいってしまえば、トンデモミステリ。連城氏がこん…

『靴に棲む老婆』エラリー・クイーン, 井上勇訳,東京創元社,1943→1997

クイーン16作目の作品。前年に『災厄の町』を発表しており、クイーン中期の作品といえます。 「靴に棲む老婆」とは、靴製造会社で巨万の富を稼いだ会社社長の老婆のことで、その老婆社長には、前夫の間に二人の息子と一人娘、二番目の夫との間に三人息子、計…