ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『「ずる賢さ」という技術:日本人に足りないメンタリティ』守田英正、幻冬舎、2022

著者はボランチのサッカー日本代表選手。流通経済大-川崎F-サンタクララ(ポルトガル)を経て、現在スポルティングに属する。ワールドカップ後のユーチューブでの戦略を具体的に語っていたインタビューが印象的で興味をもつ。 「ずる賢さ」=マリーシアという…

『真珠湾の冬』ジェイムズ・ケストレル、山中朝晶 (訳)、ハヤカワ・ミステリ、2021、2022ーーハードボイルド好きは必読

2022年のエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀長篇賞受賞作。戦時中の物語で避けていたけど、ハードボイルド臭が強い小説と紹介されていたこと、非常に評判が良かったことで読んだけど、久々の傑作ミステリでした。 とにかく文章が読みやすい。三人…

『鹿狩りの季節』エリン・フラナガン、矢島真理訳、ハヤカワ・ミステリ、2021、2023ーー新人賞らしくない

本作は、新人作家のデビュー作にして、2022年度アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作。舞台は1985年のネブラスカ州の田舎町で、アメリカ田舎町がこれで2冊連続だけど、女子高生が失踪したところから始まる。といっても探偵も警察の捜査を描くわけでは…