ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 『死者のノック』ジョン・ディクスン・カー、高橋豊訳、早川書房、1958→1982

カー52歳のときですので中期〜後期の作品。ウィルキー・コリンズが残したあらすじをモチーフにしている密室もの。 クイーンズ大学の英文学教授のマーク・ルーズベンとその妻のブレンダは、5年間の結婚生活を経て、その関係は危険な時期となっていた。ある日…

 『相棒 Season 7』「最終話 特命」

ある村の山小屋で、死体の周りで話し合う3人の男たちが「事故に見せかければ…」と相談していた――。 警視庁警察本部特命係に神戸尊というキャリア官僚が着任した。右京は出勤していないため、右京を探す神戸は、奥多摩の馬頭刈(まずかり)村へ行ったと米沢…

 『バクマン。 2巻』『地を這う魚―ひでおの青春日記』

■『バクマン。 2巻』大場つぐみ, 小畑健、集英社、2009 『ジャンプ』はすごいなー。こんな内幕マンガを載せられるなんて。バクマン。 (2) (ジャンプ・コミックス)作者: 小畑健,大場つぐみ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/03/04メディア: コミック購入: …

 『安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方』山岸俊男、中央公論新社、1999

10年前の発行で少し古い新書だけど内容は面白い。タイトルでソンをしている。「安心社会」も「信頼社会」もワードからだけだと、その意味をきちんと把握できない。だから説教をしている内容じゃないかと勘違いしてしまう。 社会心理学的な分析を駆使した日本…

『相棒 Season 7』「第18話 悪意の行方」

右京と元特命課の陣川は、ある夜別々に何者かに襲撃を受け、気を失い、目を覚ますと川の貨物船の中に監禁され閉じこめられていた。2人はそばにあった発煙筒をたいて助けを求め、警察の通報を受けて救出された。監禁場所のそばには携帯電話と移動に使用した…

 『情状鑑定人』逢坂剛、集英社、1988

逢阪剛氏の初期短編集。「情状鑑定人」「非常線」「不安なナンバー」「都会の野獣」「死の商人」「逃げる男」「暗い川」のサスペンスものを中心にした7編。展開の意外性を追求したようにおぼしいのだけど、描写が少なく厚みがないため、ちょっと上滑りして…

 『ユリイカ2009年3月号、特集=諸星大二郎、青土社、2009

「好きなマンガ家は誰か」と聞かれたとき、「5名まで挙げよ」と限られるまで、諸星大二郎は挙げられる名前の一つ。それぐらい好きです。近作もほとんど欠かさず購入しています。というわけで、『ユリイカ』を久しぶりに購入。やはり諸星さんは天才だと思う…

 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』桜庭一樹, むー、富士見書房、2004

桜庭一樹氏の出世作。私も本作を書店で見て、作家の名前を記憶したものです。しかし、なんとなく拒否感があり、今まで手にとらなかったのですが。ちなみに、本作を読んだ後ですが、『赤朽葉家の伝説』『私の男』などには手を出す気にはなれないなあ。別に作…

『相棒 Season 7』「第17話 天才たちの最期」

小さな出版社の若い女性の編集者の若い女性である瑛子が、自殺した大学生の安原は自殺ではないと警視庁に訴えってきた。捜査一課は彼女を杉下右京に押しつけ、話を聞くことになった。 安原が自殺したと判断されたのは、東都芸術大学に通う天才詩人といわれた…

 『フロスト気質 上・下』R・D・ウィングフィールド、東京創元社、2008

フロスト警部シリーズ第4作目。上下巻で2200円というのはちょっとキツいけど、とにかくこのシリーズほど抱腹絶倒という言葉が似合うシリーズはありません。読み始める前は長さにうんざり気味でも、一度読み始めるとこの饒舌な文体にニヤニヤが泊まらなくな…

 『とらドラ 10』竹宮ゆゆこ、アスキー・メディアワークス、2009

昼休みに隣の駅の大型書店で購入です。公式では10日発売ですが、2ちゃんをみると関東近郊では本日発売みたいですね。なんか微妙なカバーイラストですが、こういう内容に関係なくキャラを一人配したイラストデザインは著者の意向が強いのかな? 最終巻まで変…

 人に気を遣いすぎるということ

今日『SPA!』を立ち読みしていましたら、小田島隆氏が『浦和レッズ敗戦記』を紹介しており、昨年のチームを「人に気を遣いすぎてしまった」というニュアンスのことを記していた。気を遣いすぎて、福田の言うコミュニケーションがなくなってしまったというこ…

 『相棒 Season 7』「第16話 髪を切られた女」

捜査一課の芹沢の高校時代の友人の三村奈津子が浴室で溺死して発見された。三村の髪の毛が一房切り取られていたことから、埼玉で起こった「髪切り連続殺人事件」を想起させた芹沢は右京に関連性を相談する。 事件当日、三村は映画監督の川島敏夫と会っていた…

 『大航海 69号』新書館、2008-12

「脳・意識・文明」という特集タイトルに惹かれて購入。毎日少しずつ読んでいたのですが、このような人文系からの脳へのアプローチはほとんどSFですな。めちゃめちゃ面白いっす。 「意識」がどのようなものなのか、どのようなメカニズムなのかを解明するため…