ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

 『“文学少女”と飢え渇く幽霊』野村美月、エンターブレイン、2006

文学少女シリーズ・第2作目。テイストとしては第1作目『死にたがりの道化』と同じで、カバー紹介には「ビターテイスト」とされていますが、誰も幸せにならないという点で「トラジディ(悲劇的)テイスト」に近いです。そういうものが好きな人、人生はそう…

 『都筑道夫 ポケミス全解説』都筑道夫、フリースタイル、2009

タイトル通り、「日本版エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」初代編集長の都筑道夫が、ハヤカワ・ミステリ・シリーズ、通称「ポケミス」で担当した解説を一冊にまとめたもの。それに加えて、日本版EQMMに連載されていた「ぺえぱあ・ないふ」も収録さ…

 『殺人のすすめ』 レジナルド・ヒル、秋津知子訳、早川書房、1971→1980

デブのアンドルー・ダルジール警視シリーズの『社交好きの女』に続く第2作目の作品。ゆったりした展開、どこにもいそうでいないキャラクターなど、いかにもイギリスらしい。 大学の庭園で発見された頭蓋骨の遺骸は、大学の前学長のミス・ガーリング。殺され…

 『アオイホノオ 2巻』『ゲッサン 2009年6月号』 

■『アオイホノオ 2巻』島本和彦、小学館、2009 1980年代のマンガ界の状況が追体験できる島本版マンガ道。高橋留美子に始まるマンガ界の変化がよく読み取れます。そう、たぶん、高橋留美子から始まったと思うんだよなあ。あの真っ暗な内容の『サンデー』と男…

 『少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ』山田 昌弘、岩波書店、2007

家族社会学の第一人者の山田先生の少子社会論。発行は2007年ですが、内容は古びておりません。なぜならば、政府や行政など国は、まったく少子社会対策を立てていないからです。 少子社会を考えるとき、どうしても現れるのが、世代論。とくに団塊世代と団塊ジ…

 『ころがるダイス』E・S・ガードナー、田中融二訳、早川書房、1939→1977

ペリイ・メイスン・シリーズ82作中15作目。ストーリーはなかなか複雑であり、後半の法廷シーンでは、メイスンが綱渡りをしているかのようで迫力がある。 メイスンのもとに、冒険によって資産を得て大金持ちの年寄りの伯父オルデン・リーズが、40〜50代のエミ…

 『わたしたちの田村くん』竹宮 ゆゆこ、メディアワークス、2005

『とらドラ!』の竹宮ゆゆこ氏の処女作。全2巻で、第1巻に「うさぎホームシック」「氷点下エクソダス」「高浦さんちの家族計画」、第2巻に「さよならサテライト」「高浦さんちの家族計画〜その2〜」の本編3話、番外編2話の全5話。 タイトルや第1巻の…

 『テレプシコーラ 第2部 第2巻』『鋼の錬金術師 22巻』『GIANT KILLING 10巻』『闇の鶯』

■『テレプシコーラ 第2部 第2巻』山岸凉子、メディアファクトリー、2009 第2部はローザンヌだけで話を終わらせるつもりなんですかね。テレプシコーラ 第2部 第2巻 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)作者: 山岸凉子出版社/メーカー: メディアファクトリー…