ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『悪い男 ―エーレンデュル捜査官シリーズ』アーナルデュル・インドリダソン, 柳沢由実子(訳)、東京創元社、2008、2024ーーストーリーはシンプルで、複雑なテーマをもち、謎解き要素もある職業物

新作が出たら読む作家は幾人しかいませんが、アーナルデュルはそういう作家のひとり。過去作の感想にも書いているかもしれませんが、筆致に悲劇を描くロス・マクの残り香があるので、それだけでも価値があるシリーズです。読んでいると、主役が替わるとこと…

『QJKJQ』佐藤究、講談社文庫、2016、2018ーー信頼できない語りだけど面白い

『テスカトリポカ』の作者の江戸川乱歩賞受賞でデビュー作。『テスカトリポカ』『爆発物処理班の遭遇したスピン』が素晴らしかった。本書の評判は設定がライトノベル的というところまでしか知らず手に取っていませんでした。 最初はライトノベル的かなと思い…