ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『影と陰』イアン・ランキン, 延原泰子訳,ハヤカワ・ミステリ文庫,1990,2006

小説を読んでいてもどういうわけか集中できず、中途でやめること3冊を経て、ノンフィクション、新書で紛らわせて、長らく小説を読むことができなかったのですが、ようやく読むことができた一冊目です。この一冊目を選択するのが難しかった。初読の作家、上…

「新潮文庫nex」創刊の話

新潮文庫が新レーベル「新潮文庫nex」を立ち上げるニュースは興味深いですね。おそらくは、販売戦略としての書き下ろし文庫+イラスト付き小説なのでしょう。なんというか「ライト新潮文庫」という感じ。ニュースになったのは、用意したラインナップが豪華だ…

『プードルの身代金』パトリシア・ハイスミス, 岡田葉子訳,扶桑社ミステリー,1972,1997

ハイスミス14作目の作品。カバー紹介に「中期の代表作、ここに新訳で登場!」とあります。確か旧訳が映画の公開にあわせて出版されていたように思います。 出版社に勤めるノンフィクションの編集者のエドワード・レイノルズとその妻のグレタが飼っているプー…

『プロタゴラス―あるソフィストとの対話』プラトン, 中澤務訳,光文社古典新訳文庫,2010

光文社古典新訳文庫は当初『カラマーゾフの兄弟』のような文学作品から始まったような印象を受けますが、実際調べてみると、文学作品のみならず、哲学書など古典ならば何でも新訳をしているようです。でも、文庫ですから、ある程度の売り上げ部数を見込める…

アニメを作るということ――『風に吹かれて』鈴木敏夫,中央公論新社,2013

最初に書店で見かけたとき、渋谷陽一氏による鈴木氏への『Cut』のインタビューをまとめたものか、『風立ちぬ』公開時にあわせて、なぜかロッキン・オンではなく、中央公論新社で発行されたもの。 鈴木氏は宮崎氏、高畑氏との出会いから現在までの流れを吐露…