ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『ゴールデンタイム外伝――二次元くんスペシャル』竹宮ゆゆこ, 電撃文庫, 2012.

「ゴールデンタイム」シリーズのスピンオフ作品。本編では脇役の「二次元くん」を主役にした「二次元くんスペシャル」「二次元から愛」「二次元事変」「さらば二次元くん」の4編が収録されています。ラブコメの王道で、非常に面白いので、いろいろ考えさせら…

『熱波』エド・マクベイン, 井上一夫訳,ハヤカワミステリ文庫,1981→1990

87分署シリーズの第35作目の作品。今調べたら全シリーズ53作あるのかあ。まだまだ先まであるのだなあ。第1作目を読んだのは高校生の時で、その時はあまりのリーダビリティの高さにポンポン読んでいたけど、いつしかマクベインの美文調がうっとうしく感じてし…

『カラスは数をかぞえない』A・A・フェア, 田中小実昌訳,ハヤカワ・ポケット・ミステリ,1946→1962.

バーサ・クール&ドナルド・ラム・シリーズ全29作中10番目の作品。この前に読んだブロックの『皆殺し』は面白いことは面白いけど、期待していた展開ではなかったので、欲求不満解消のために、久々にフェアを手に取った次第。それにしても、A・A・フェアと検…

『10年メシが食える漫画家入門――悪魔の脚本 魔法のデッサン』樹崎聖,講談社アフタヌーン新書,2009

偶然、Amazonのレビューを読んで、あまりの絶賛の内容に興味を持っていた新書です。先日、近場のブックオフで新書の棚を総ざらいしていたら、タイトルが目に飛び込みました。 全二章の構成になっていて、第一章が「悪魔の脚本術」、第二章が「魔法のデッサン…

『中国化する日本――日中「文明の衝突」一千年史』與那覇潤、文藝春秋、2011

本書は好意的な批評が多く聞くので興味を持ったのですが、私のような歴史の知識に対して門外漢で、確たる歴史視点を持っていない者にとっては退屈な論文でした。 「本書は、歴史学の方法を使って、そのような新しい日本史を描きなおすものです。そこで鍵にな…