ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『2011年新聞・テレビ消滅』佐々木俊尚,文藝春秋,2009

先日のUstreamの孫正義×佐々木俊尚の対談や石川さんのマンガペン入れの生放送が、視聴者数が数千から一万台になり、それで成立してしまっている状況が、出版で言えば、ああまるで書籍の単行本か、専門雑誌のような位置付けだなあ、なんて思うんです。まだま…

『GIANT KILLING 15巻』『capeta 22巻』

■『GIANT KILLING 15巻』ツジトモ, 綱本将也原案・取材協力,講談社,2010/05 達海の現役時代の続き。ETUの中心選手である達海は日本代表選手としても注目されていく。そのような達海を売り出したいETUのオーナーは試合にゴールを義務づけたり、CMに出演させ…

『放浪のリトル・ドッグ』ジョゼフ・ハンセン, 小林宏明訳,早川書房,1986→1988

デイヴ・ブランドステッター・シリーズ第8作目の作品。多分、過去7作は読んでいると思うけど、きちんと記録を取っていないので……。このようなとき、ブログをやってて良かったなと感じる。検索すると2008年に『ブルー・ムービー』が引っかかるけど、それを…

『ソクラテスの弁明・クリトン』プラトン, 三嶋輝夫, 田中享英訳,講談社,1998

大学時代以来です。とても面白かった記憶がありましたが、今回は、面白さを感じたポイントがずれているような感じがしました。昔は、ソクラテスの論理展開が面白く頷きながらだったのですが、今回は「それは詭弁じゃね」なんてね……。何故、そのような道を選…

『粘膜人間』飴村行,角川グループパブリッシング,2008

第15回日本ホラー小説大賞長篇賞受賞作。僕はあまり日本のホラー小説は読まないけど――といっても、『パラサイトイブ』『黒い家』などベーシックなのは読んでるけどね――書評で気になった作品。 戦前戦中ぐらいのこと、二人の兄弟が一人の巨体で暴力的な義弟を…

『世界名探偵倶楽部』パブロ・デサンティス, 宮崎真紀訳,早川書房,2007→2009

カバー紹介によると、著者はアレゼンチンのブエノスアイレス生まれで、原著はスペイン語なんですかねえ。スペイン語→英語→日本語ではなく、どうもスペイン語からダイレクトに翻訳されているような感じがします。 ブエノスアイレスの探偵レナード・クライグの…

『心の仕組み――人間関係にどう関わるか〈中〉』スティーブン・ピンカー, 椋田直子・山下篤子,NHK出版,1997→2003

ようやく中巻が読み終わりました。外界からの刺激やそれと結びつく脳の機能、そして人間の心の中の現象を対比させることで、例えば、言葉から意識・心が生まれたと仮説するように、心の仕組みはどうなっているのかを導きだそうとしています。本巻では、外界…

『完本 1976年のアントニオ猪木』柳澤健,文藝春秋,2007→2009

まず結論からいいますと、本書は傑作である。私は、プロレスに夢中になったこともないし、アントニオ猪木に深く魅了されたことがない。プロレスなど退屈に覚えるほどである。夢中になったとすれば『プロレススーパースター列伝』の「懐かしのBI砲編」を通し…

『陪審員はつらい』パーネル・ホール, 田中一江訳,早川書房,1990→1994

調査員スタンリー・ヘイスティングス・シリーズ第6作目の作品。陪審義務を課せられたスタンリーが殺人事件に巻き込まれるお話。 個人事業主なので陪審義務の拒否を願い出たものの、20年以上前の脇役での出演によるシュワルツネッガー主演の映画の再放映があ…

『のだめカンタービレ 24巻』『バクマン。 8巻』

■『のだめカンタービレ 24巻』二ノ宮知子,講談社,2010/04 日本のRSオーケストラでオペラを開催する番外編ですが、本編より面白いです。エンタメの仕掛けがうまく機能しています(このあたり、嫌な人はいるだろうなあ)。最近、最初のから読み返したところ…

『仕事するのにオフィスはいらない』佐々木俊尚,光文社新書,2009/07

昨年、本書が発行され、書店でパラパラと立ち読みをしたとき、「ふうん、こういう人もいるんだな。いずれ僕もこのようになっていくのだろうけど、まだまだ先だな」と判断していたのです。しかし最近思うところがあって、本書を読みたいと池袋の書店をジュン…

『ハイブリッドワーカー――会社勤めしながらクリエイティブワークする』ヨシナガ,講談社,2009

「講談社アフタヌーン新書」という新書レーベルのひとつ。この新書はライターに依頼して量産しているけれど、どのくらいの部数が損益分岐点なのでしょうか? 新書で分量が少ないので一般四六書籍よりは、印刷・製本代などの製作費は安くつくのでしょう。 で…

『わが心臓の痛み』マイクル・コナリー, 古沢嘉通訳,扶桑社,1998→2002

マイクル・コナリーの第6あるいは7作目の作品。発表時はノンシリーズでしたが、本作の主人公の元FBI捜査官テリー・マッケイレブはもう一つの作品で主人公をつとめたり、コナリーの他シリーズでも出ているらしい。コナリーのお気に入りのキャラなのでしょう…