ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 『すべての映画はアニメになる』押井守、徳間書店、2004

「イノセンス」公開時に編まれたアニメ雑誌等に掲載された自作アニメ映画に関する対談+エッセイ+インタビュー集。対談相手は、宮崎駿、大森一樹、安彦良和、今関あきよし、河森正治、光瀬龍、金子修介、今関あきよし、長部日出雄、池田敏晴、富野由悠季、…

 『サム・ホーソーンの事件簿〈1〉』エドワード・D・ホック、木村二郎訳、東京創元社、2000

昨年の『ミステリマガジン 2008年11月号』の特集が「ミステリ小説作法」であり、F・W・クロフツ、アントニイ・バークリイ、マイクル・コナリー、ローレンス・ブロック、そしてエドワード・D・ホックの昔のエッセイを紹介しております。それぞれ視点が異なっ…

『相棒 Season 7』「第12話 逃亡者」

ある夜の9時30分頃、歩道橋の上で男女2人の言い争いが起こり、それを止めようとした若い女が、誤って歩道橋から突き落とされた。若い女は打ち所が悪そうで出血が激しく、携帯電話をかけたが、カップルの男は境内電話を消してしまった。若い女はそのまま死ん…

『巨人譚』『鋼の錬金術師 21巻』『バクマン。第1巻』

■『巨人譚』諸星大二郎、光文社、2008 書き下ろし新作「ギルガメシュの物語」などギリシャ神話などをモチーフにした短編4本+諸怪志異風の中国奇譚の短編2本の短編集。内容はまあまあです。しかし本文用紙が厚すぎて重くて読みづらいのが難点。巨人譚 (光…

『相棒 Season 7』「第11話 都県境の町で」

東京都町田市午前6時30分、拳銃所持の逃亡犯を特命課の右京を含む警視庁は追っていたが、犯人の長峰は銃を発砲し逃走。警視庁は神奈川県警に捜索の強力を要請した。 一方、町田市に隣接する川崎市の一軒家の藤堂家には、小学生の娘を誘拐したので12時までに5…

『“文学少女”と死にたがりの道化』野村美月、エンターブレイン、2006

今年はライトノベルを有名どころから無名どころまで読み込むつもりなんですが、本シリーズはその第1弾。『このライトノベルがすごい』でも一位になったからですが、以前から気になるシリーズではあったものの、元ネタを読んでから手を出すべかなあ、とのん…

『作者の死』ギルバート・アデア、高橋進訳、早川書房、1992→1993

アデアの『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』の描き方に興味をもったこと、また若島正氏の『殺しの時間――乱視読者のミステリ散歩』で紹介されていたのを思い出して、本書を手にとった次第。 ところで『殺しの時間』の内容が『ミステリマガジン』に連載され…

『相棒 Season 7』「第10話 ノアの方舟」

2008年12月24日、送電ケーブルの時限爆弾による断絶によって、港区、千代田区など東京都心で都市機能を麻痺させる停電が発生した。地球温暖化阻止を目的としている環境保護団体が、京都議定書を無視しているために行ったという声明文が出された。その環境テ…

『依頼人がほしい』パーネル・ホール、田中一江訳、早川書房、1993

控えめ探偵「スタンリー・ヘイスティングズ」シリーズ第5作目の作品。ちなみにパーネル・ホール氏のホームページをみると、長篇は全16作があるみたい。第15作の『MANSLAUGHTER』が2002年の発行で、ここまで日本の早川書房で購入できますと書かれていて、5…

『とらドラ・スピンオフ2! 虎、肥ゆる秋』竹宮ゆゆこ、アスキーメディアワークス、2009

本日は、打合せで片道90分かかるところへ行ったので、発売したばかりだというのに読み終えてしまいました。番外編スピンオフの第2巻。「虎、肥ゆる秋」「春になったら群馬に行こう!」「THE END OF なつやすみ」「秋がきたから畑に行こう!」「先生のお気に…

『春期限定いちごタルト事件』米澤穂信、東京創元社、2004

高校一年生の男の子・小鳩君と女の子・小佐内さんを主人公にした連作短編ミステリ。殺人事件ではなく、いわゆる日常の謎を解く物語で、5本の短編が収録されています。校内で女の子のポシェットが消えたので探したり、卒業した先輩が高尚な絵だと言い残した…

『イノベーションと企業家精神』P.F.ドラッカー、上田惇生訳、ダイヤモンド社、2007

私は本書を「第14章 公的機関における企業家精神」について知りたいと思って手にとった者です。公務員などの利潤を追求しない組織において、どのようにして変革していったらよいのか、その方法論を求めていました。 「公的機関は、イノベーションや新しい事…