ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『エンタメ小説家の失敗学~「売れなければ終わり」の修羅の道』平山瑞穂、光文社新書1239、2023

ネットで紹介されて興味をもった新書。平山氏の小説の出版遍歴をまとめたもので、出版社・編集者・読者との距離の取り方を間違えていたものというもので、面白い。私は平山氏のお名前は知っていましたが読んだことがなかったということは、私の興味にひっか…

『幽玄F』佐藤 究、河出書房新社、2023

『テスカトリポカ』『爆発物処理班の遭遇したスピン』の佐藤究氏の新作。処女作から読もうと思っていましたが、書店で本作を見かけて好評との情報を得て購入。しかしエンタメではなく純文学でちょっとがっかり。『金閣寺』みたいな純文学、航空機パイロット…

『滅茶苦茶』染井為人、講談社、2023ーー確かに滅茶苦茶だけど説得力あるね

初めての著者で、どの書評家も忘れてしまったけど、評判がよいこと、著者が横溝賞をとっていること、適度な長さの現代ミステリを読んでみたかったことなどから手に取りました。 時は2020年の最も最初のコロナ禍で緊急事態宣言でステイホームの真っ最中。一人…