ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

 『さよなら、愛しい人』レイモンド・チャンドラー、村上春樹訳、早川書房、2009

『ロング・グッドバイ』に続く、村上春樹氏によるチャンドラーの『さらば愛しき女よ』の新訳。『長いお別れ』→『ロング・グッドバイ』になったとき、ストーリーが分かりやすくなって――その分、何かが失われてしまったけれど――、よい翻訳だとこれはアリだと感…

 『となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術』関根眞一、中央公論新社、2007

2007年の新書のベストセラー。クレーマーとはいったいどういう人をいうのか、クレーマーに対応するにはどうしたらよいか、を具体的に事例で示した本。ストーリー仕立てになっていて、めちゃめちゃ読みやすく、あっという間に読み終えることができます。とな…

 『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』田中ロミオ、小学館、2008

妄想なのかSFなのかいまいち判断できない学園ラブコメ小説。メタノベルとしても読めるのだけど。 高校デビューして一週間でクラス内のヒエラルヒー構築に成功した佐藤一郎は、教科書を持ち帰るのを忘れた日の夜、学校に忍び込んだ。教室には、杖を持ち、青の…

 『恐怖の掟』マイクル・コリンズ、村杜伸訳、早川書房、1966→1979

隻腕探偵ダン・フォーチューン・シリーズの第1作目でアメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞受賞作。私にとって、マイクル・コリンズは初物であります。このシリーズ名は知識としてもってはいたのですが、ミステリやハードボイルド物の名作など推薦作として挙…

 『パチンコの経済学』佐藤 仁、東洋経済新報社、2007

パチンコビジネスについて書かれた本。著者はダイナムという大手ホール企業に14年間勤務していた元業界内の人。内容については、ネットなどでパチンコについて、常時情報収集している人ならば、だいたいが知っていることですが、まったくパチンコ産業につい…

 『造花の蜜』連城三紀彦、角川春樹事務所、2008

連城三紀彦氏の新作長篇ミステリ。誘拐サスペンスもの。初期の犯罪と犯人像が結びつくような幻想的なシーンに連れて行くような感じはないけど、どこか視点がゆらゆらしていて定まらない、読んでいる内容がが現実なのか、現実の一部分なのか判断できない、不…

 『予想脳 Predicting Brains』藤井直敬、岩波書店、2005

脳の仕組みを理解するものとして「予想脳」とう概念仮説を解説したもの。おおざっぱに言ってしまえば、人間の脳は物事を予想して判断処理をしているという考え方(たぶん正確ではない)は、演者は忘れてしまったけれど、数年前に行われた脳と運動の講演にお…

 『湯けむりスナイパー VOLUME1』松森正・ひじかた憂峰、実業之日本社、1999

おお、「湯けむりスナイパー」が原作テイストを完全再現でドラマ化ですよ。原作そのままで素晴らしいですよ。思わず本棚から単行本を持ってきて一気読みしてしまいましたよ。以下の画像を見てください。そのまんま狩撫麻礼なのがわかります。 第1話が仲居さ…