ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『10年後あなたの本棚に残るビジネス書100』神田 昌典, 勝間 和代、ダイヤモンド社、2008

まあこのような本を購入してしまうのは、こころが弱くなったときですね。こういう自己啓発書を読む人を莫迦にしていたのですが、最近いろいろ疑問が多くなって、いくら自分で考えてみても、自分ひとりで鬱々としているよりは、先人の考えをそのままトレース…

『相棒 Season 7』「第9話 レベル4〜後篇・薫最後の事件」

鑑識課チームが調査をしているとき、時限爆弾によって殺人ウイルスが入っている試験管が爆発し、ウイルスがばらまかれた。その部屋はウイルスが外部に漏れないよう、鑑識課チームごと密閉されたまま監禁された。それによって隔離が成功し、これ以上漏れるこ…

2008年のベスト本

今年は優れているとか優れているのではなく、好みの作品を挙げてみました。残された時間が短くなってきたせいか、好みではない作品を手にとらなくなったということでしょう。■『魔性の殺人』ローレンス・サンダーズ、中上守訳、早川書房…長大な作品だったに…

『このマンガがすごい! 2009』宝島社、2008

このマンガがすごい! 2009作者: 『このマンガがすごい!』編集部出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2008/12/05メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 30回この商品を含むブログ (59件) を見る こういうガイドブックを読むと自らの読書量の少なさにちょっと打ちの…

『青春少年マガジン1978〜1983』小林まこと、講談社、2008

小林まこと氏が『少年週刊マガジン』に「1・2の三四郎」を連載したときの自伝的マンガ。雑誌連載中からしみじみ感動し、一冊になって、また感動してしまいます。あの頃、『マガジン』を読んでいた方は必読です。昨年、やはり「アオイホノオ」が1980年ぐら…

『魔性の殺人』ローレンス・サンダーズ、中上守訳、早川書房、1973→1982

初のローレンス・サンダーズですが、こんなにリーダビリティが高い作家だとは思いませんでした。較べるのはフェアではありませんが、ディーバーよりも高いのではないでしょうか。とにかく内容は盛りだくさんで、警察小説、しかも、プロファイリングという言…

『このミステリーがすごい! 2009年版』『本の雑誌 307号』

なんか書籍そのものよりブックガイドばっかり購入している気がする。下記はブックガイド用としてです。■『このミステリーがすごい! 2009年版』Takarajima Books、2008 とりあえず近いうちに読もうかなと思うものは以下の通り。『ディスコ探偵水曜日』『フロ…

『3月のライオン 2巻』『冷食捜査官 1巻』

先月に発売されたものですが、ようやく池袋ジュンク堂で購入。どちらも意欲的で面白いです。■『3月のライオン 2巻』羽海野チカ、白泉社、2008 雑誌の『アニマル』で読んでいます。主人公の少年もさることながら、彼のライバルや老いを迎えた対戦相手、義理の…

『ギャルトン事件』ロス・マクドナルド、中田耕治訳、早川書房、1959→1982

リュウ・アーチャー・シリーズ全18作中第8作目の中期の作品。文庫化されてなく、ポケミスでのみ出版されています。なんといったらよいか、ロス・マクには外れなし、という感じがします。暗いのですが、横溝ばりのトリックが炸裂しており、☆☆☆☆★です。ギャル…

『相棒 Season 7』「第8話 レベル4〜前篇」

国立微生物研究所で研究員が、レベル4とは最高レベルの研究室で窒息死した。その殺人犯人の小菅は、実験室から空気感染で100%感染・発症する殺人ウイルスが盗もうとしたが、邪魔されたために殺したらしい。小菅は自らが生み出した人工的な出血性の殺人ウイ…

『とらドラ・スピンオフ!―幸福の桜色トルネード』『とらドラ! 1』

アニメも面白い「とらドラ!」ですが、小説の10巻が待ちきれません。というわけで、スピンオフとコミックを購入。スピンオフはまあまあの面白さ、コミックはきちんと小説を表現しており別の魅力があります。■『とらドラ・スピンオフ!―幸福の桜色トルネード』…

『相棒 Season 7』「第7話 最後の砦」

若い女が通り魔にナイフで切り裂かれるという連続スクーター通り魔事件が起こり、容疑者の辻正巳を逮捕した。その暴力的な取り調べのために被疑者が誤って頭を打って死んだ。それを取り調べ監察官が目撃していた。右京はその死体の取り調べ検死官として検死…

『家庭モラル・ハラスメント』熊谷早智子、講談社、2008

読売オンラインの「発言小町」が結構好きで時々読んでいます。メイン投稿者が2ちゃんなどとは異なり大人の女性が多く女性特有の考え方が、また、ほんの少しの情報から相談者の状況を推理していく過程が見られて面白い。時々傑作が見られることがあります。 …

『昭和出版残侠伝』嵐山光三郎、筑摩書房、2006

嵐山氏が平凡社を退職し、青人社を立ち上げ、「ドリブ」編集長をしていたころの自伝的物語。「ドリブ」は中坊のころ、コンビニなどでやたら売られていたので、手にとって読んで、「なんかいい加減なB流雑誌だなあ」とあまり興味をもっていませんでした。その…

『チャイルド44 上・下』トム・ロブ・スミス、田口俊樹訳、新潮社、2008

冷戦下のソ連で起こった連続殺人事件をめぐる物語。国家保安省捜査官のレオ・デミドフは、部下のフョードルの小さな息子が殺されたので捜査をして欲しいと訴えたのだが、それを列車に轢かれた事故として処理した。なぜならばスターリンは、社会の不行跡であ…

『逃亡日記』吾妻ひでお、日本文芸社、2007(☆☆☆)

『失踪日記』のエピソードをインタビューしたもの。発行時は『失踪日記』以上の内容はないような気がして読まなかったけど、改めて読むと結構面白いです。『マカロニほうれん荘』のギャグが分からなかったと言っていることとか。逃亡日記作者: 吾妻ひでお出…

『相棒 Season 7』「第6話 希望の終盤」

将棋の龍馬戦の最終第七局の前日、その会場で挑戦者の西方が遺体で発見された。屋上から飛び降り自殺をしたらしい。その遺体発見中のテレビ放送を見ていた右京と薫の2人は捜査を始める。 西方の死亡推定時間は午前0〜2時。西方が泊まっていた旅館の部屋を…