ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『狼と香辛料?』支倉凍砂,メディアワークス,2006-06(○)

狼と香辛料〈2〉 (電撃文庫)

狼と香辛料〈2〉 (電撃文庫)

 行商人ロレンスが狼神ホロを連れて商売する異世界ファンタジー第2巻。私は,異世界ファンタジーがあまり得意ではないのですが,あまり異世界ぶりを感じさせないためか,まあ2巻まで手を出してしまいました。1巻があまり評価できない出来でしたが,『このライトノベルがすごい!』で1位になったのでしたら,今後は面白く読めるのではないかと思ったからです。

さてその出来はといいますと1巻よりは確実に面白くなっていました。冒険小説的なストーリーできちんとエンターテイメントの定石を踏んでいます。内容も分かりやすくなっています。

 けどなあ,何でロレンスはホロと,ホロはロレンスと旅をしているのか,まったく分かりません。その辺,納得させるエピソードなり描写なりが欲しいところです(と,不満に思うのは私が年をとったからで,若い頃だったなら納得できることなのか?)。私は「ホロ,可愛いよ,ホロ」とはまったく感じないのですよ…,残念ながら。