- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/11/29
- メディア: ハードカバー
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本書がミステリかどうか,そのようなジャンル分けは意味がないかもしれないけど,未読の方に一応説明すると,追跡型のスリラー小説としていいのかなと思う。私は,伊坂氏の作品はいくつかしか読んでいないけど(『砂漠』は人から借りたまま,まだ読んでいません…),本書はそのなかでも,あまり面白い方ではありませんでした。これは,私と伊坂氏の相性が悪いのでしょう。私の要望としては,もっと素っ頓狂な設定,ストーリーが欲しいというところですね。
この作品に対して,けっこう辛かったのは,読んでる途中,ロバート・リテルの『スリーパーにシグナルを送れ』が頭の中にチラチラちらついていたからですね。『スリーパー…』は,ケネディ大統領の暗殺事件を扱ったもので,本作品も首相暗殺事件で似ていますしね。『スリーパー』が暗殺事件が起こるまでを書いたもので,『ゴールデン』は暗殺事件が起こってからを書いているものですが。伏線を収斂させるというのでしたら,『スリーパー』ぐらいとまではいかないまでも,もっと拾って欲しかったなというのがあります。私の誤読かもしれませんが…。