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『自治体格差が国を滅ぼす』田村秀,集英社新書,2007(○)

自治体格差が国を滅ぼす  (集英社新書)

自治体格差が国を滅ぼす (集英社新書)

 小泉政権以降,さまざまな「格差」が生じ格差社会になったといわれています。例えば,世代間格差,地域による格差,産業間・企業規模における格差,教育格差,医療格差,情報格差などですね。本書では,そのなかの地域による格差を自治体格差として,なぜ自治体格差は生まれたのか,拡大しているのか,解決する方法を提言しています。

 第2章では「勝ち組自治体?」として,千葉県浦安市,愛知県豊田市兵庫県芦屋市を挙げ,第3章では「負け組自治体?」として,北海道夕張市,千葉県木更津市大阪市西成区を挙げ,第4章では「模索する自治体」として,群馬県大泉町三重県亀山市徳島県上勝町を挙げ,第5章では著者が住んでいる新潟県について挙げ,第6章で「中央と地方,対立か,それとも共存か」として,自治体生き残りのための十カ条を挙げています。

 その十カ条の内容は,本書を読んで頂くとして,これらは少子高齢化社会,人口減少社会になるということを前提としていれば,きわめて常識的なものといえますが,それをまったく意識できない昭和的価値観をもっている人たちが既得権益を離すことを意味します。

 例えば,新しい道路や空港,公共施設を作りたがっているニュースを見ると,また借金をするつもりなのか,誰がそれを返却するのか,そのお金を医療や福祉に回せば少しは安心できる社会になるのに,と嘆息せずにはいられません。

 本書は,そのような人々に向かって書かれたものといえます。しかし,いかんせん新書という枠組みの中では,もう少し分量が欲しかったかなと感じますね。