ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

 『私という名の変奏曲』連城三紀彦、角川春樹事務所、1999(◎)

私という名の変奏曲 (ハルキ文庫)

私という名の変奏曲 (ハルキ文庫)

 連城三紀彦氏の長篇ミステリ。初出は1986年発行。恐ろしくも凝りに凝ったシチュエーションで不可能性ミステリを展開します。騙しのテクニックも今でも通用する内容ですね。年間ベスト10などには入るのではないでしょうか。

 世界的ファッションモデルの私を殺したい程憎んでいる人間は七人いる――。男が四人、女が三人。私はそのなかの“誰か”をマンションに呼び、わざと毒入りの酒を注ぎ、私に飲ませることで“誰か”を殺人者にした。その七人全部がみな自分が殺したと思っていた。その誰かはいったい誰なのか? 何故、私はそんなことをしたのか?