若い女が通り魔にナイフで切り裂かれるという連続スクーター通り魔事件が起こり、容疑者の辻正巳を逮捕した。その暴力的な取り調べのために被疑者が誤って頭を打って死んだ。それを取り調べ監察官が目撃していた。右京はその死体の取り調べ検死官として検死を訴えたが拒否された。
警察署上層部は取調中に暴行したことを隠すために辻が通り魔事件の犯人であることを証明せよと現場の刑事に命じた。
この取り調べのために任意同行にもかかわらず無理矢理にパトカーに乗せて同行させたこと、取り調べは14時間以上行われていたことなど完全な違法な取り調べであった。また、容疑者のもつスクーターのタイヤと犯行現場のスクーターのタイヤ痕の照合をしていなかった。これらより杜撰な捜査だと右京と薫は判断する。
野村警部補と柳沢取り調べ監察官は正式な取り調べであったと報告するのだが、実はタイヤ痕があったという報告書があることを右京らに攻められ、取り調べの事実を白状するよう詰め寄られた下柳は、右京や薫、大河内監察官らの目の前で拳銃自殺してしまった。
捜査の過程で、辻のスクーターをおいてあった駐輪場の隣の紺のスクーターに目をつけた右京は、監察にタイヤ痕との照合を求めたところ合致したのである。その持ち主の日下部を追いつめる。
「相棒」得意の警察組織内部のゴタゴタドラマ。謎解き要素は皆無だけど、そのドラマは結構見せる。警察内部の告発をするよう詰め寄られる警察官が自殺するシーンなど、組織内の圧力をリアルに示していてなかなか良かった。しかし、事件そのものは、右京の推理がものをいうものの、偶然的要素が強く、☆☆☆★といったところ。