ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『このマンガがすごい! 2009』宝島社、2008

このマンガがすごい! 2009

このマンガがすごい! 2009

 こういうガイドブックを読むと自らの読書量の少なさにちょっと打ちのめされます。萌え要素でアピールしている作品が皆無。これって、オーバー30のオッサンオバサン向けのマンガベストですよね。『ライトノベル』では14〜18歳ぐらいの年齢のショーネンたちが感想を述べていますが好対照。どちらがいいって訳ではありませんが、もう少し、ショーネンショージョたちの感想が知りたい。

 まあ、そういうわけで、1人のオッサンの今年のベストマンガです。『このマンガがすごい』とだぶっているのは1作品だけですなあ…。『深夜食堂』なんて知らなかったよ…。

■『GIANT KILLING』(綱本将也ツジトモ)…いきなりスタメンになった新人の勢い、スタメンをとられたベテランの我慢、得点がとれないフォワードの不安、信じるべき監督に巡り会った選手の喜び、オリンピック代表を出した下位チームの何とも言えぬ高揚など、サッカー好きなら誰もが味わったことがある経験を再現してくれ、たまりません。展開が遅いのだけが不満ですね。

■『capeta』(曽田正人)…天才ドライバー・カベタがいよいよF3参戦。プライベートチームにすることで勝つ条件を上げて、カペタの天才ぶりを描写します。これももうちょっと展開が早ければなあ。

■『青春少年マガジン1978〜1983』(小林まこと)…先日とりあげた小林まこと氏の『週刊少年マガジン』連載時代の青春物語。一流のマンガ家だけがマンガ家ではないことがきちんと述べられています。一時脚光を浴びただけの有名ではない全身マンガ家がここにいるのです。それに涙しました。

■『未来歳時記・バイオの黙示録』(諸星大二郎)…諸星氏の久しぶりの本格SFマンガ。独特の寂しさが漂います。

■『とらドラ!』(竹宮ゆゆこ/絶叫)…小説の世界を忠実に、そして可愛いらしくマンガ化したラブコメ

■その他は『3月のライオン』『のだめカンタービレ』『鋼の錬金術師』『テレプシコーラ/舞姫 第2部』など。あと忘れていたけど『味いちもんめ』もコンビニマンガで復刊されるたびに立ち読みしておりました。