ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『相棒 Season 7』「第18話 悪意の行方」

 右京と元特命課の陣川は、ある夜別々に何者かに襲撃を受け、気を失い、目を覚ますと川の貨物船の中に監禁され閉じこめられていた。2人はそばにあった発煙筒をたいて助けを求め、警察の通報を受けて救出された。監禁場所のそばには携帯電話と移動に使用した車が捨て置かれていた。その携帯電話の持ち主は私立中学校の教師の伊藤に聞きに行ったところ、その携帯電話に伊藤のコラ写真が送られてきた。学校裏サイトの管理人をしていた自らの学校の生徒で退学し、その生徒が送ってきたかもしれないという。

 陣川は監禁を通報した久保田という女につい特命課を名乗って捜査してしまった。内密にしてもらうよう久保田にお願いしたのである。久保田はインターネット関係の仕事についていた。また、捨て置かれた自動車の記録と過去の写真から、陣川は五味を思い出す。陣川は逃亡者の写真を自分の部屋に貼って、容疑者の顔を覚え、個人的な捜査をしていたのである。五味を逮捕し、右京が襲われた後、貨物船まで運んだだけだと自供した。右京が襲われるのを知っていたのは、あるSNSの掲示板だったというのだ。

 その掲示板では、教師の伊藤の情報、特命課の悪質な情報が書き込まれ、それにより掲示板を見た見知らぬ者たちによって2人は襲われたらしいことがわかった。その掲示板の管理人は、八木下は伊藤真央によって中学を退学させられた生徒だったのである……。

 インターネットの匿名の掲示板に載せられた悪意が、じわじわ増殖・暴走して、ひとつの犯罪を形成したという事件。意外性はなくはないが、推理的要素は少ないので、私にはイマイチだった。☆☆☆というところ。