マンガ家いしかわじゅんの漫画に関するエッセイ集。前作『漫画の時間』の12年ぶりの続編ということで,A5判,430ページ強,2段組の大著。といっても,一つ一つのエッセイそのものが短く,どこからでも,さくさく読むことができる。ときには物足りないと感じたり,というか,結構,「えっ,もう終わり」と思ってしまう。
というのは,天才肌のいしかわ氏は,作品の面白さに関する「謎」に対する「答え」をあっさり提示して,その根拠をあまり詳しく書かないからだ。自分では根拠を提示しているつもりだし,これ以上書いても依頼枚数をオーバーしてしまうからだろうけど,実はマンガについて,そうとう詳しい人でないと理解できないものになっている。
だからといって、つまらない訳ではなく,そのわかるところとわからないところがある故に非常に面白いんです。
- 作者: いしかわじゅん
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2008/01/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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