ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『神話の力』ジョーゼフ・キャンベル, ビル・モイヤーズ, 飛田茂雄訳,早川書房,1988→2010

 神話学の世界的権威のある学者キャンベルの神話に対する考え方をインタビューで語りおろしたもの。もともとテレビ番組の企画だったものを活字に起こしたものらしい。本書は名著だということは、昔の宝島社から出版されていたブックガイドなどから、さまざまな媒体で目にしてはいたものの、なかなか出会えることがなく、今回の文庫化でようやく手にとりました。

 とはいうものの、これらの考え方は現在では半ば当たり前に共有されているために、少し陳腐化しているかなと感じました。老大家が結論だけを語ってしまっているようで、根拠はあるのでしょうが、きちんと述べられていないので上滑りしています。まあ、これは私の基礎教養が不足しているためでしょう。

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)