ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『Cut 2011年 06月号』ロッキング・オン、2011/05

 「マクロス、そしていま出会うべきアニメたち――『劇場版マクロス』『あの花』『まどか☆マギカ』を観ろ!」が特集。『Cut』といえばずいぶん昔(20年ぐらい前だろうか)に、たけし、宮崎駿などの特集号を購入して以来です。今回『Cut』がアニメの特集をするほどアニメが盛り上がっているのだなあと思ったのですが、バックナンバーを少し調べると、ジブリ映画が上映されるたびにジブリが特集されていますし、押井氏やエヴァ、アニメ音楽などしばしばアニメが取り上げられているのですね。しかし、映画や音楽を絡ませているようでしたが、ガチでアニメを特集するのは初めてのような感じがします。

 『マクロスF』の監督・河森正治氏、音楽・管野よう子氏、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の監督・長井龍雪氏、脚本・岡田磨里氏、『放浪息子』の監督・あおきえい氏、フジテレビデューサーの山本孝治氏、『化物語』『魔法少女まどか☆マギカ』の監督・新房昭之氏のインタビューはいずれも他のアニメ雑誌と切り口が異なり興味深いものでした。もっと突っ込んで欲しかったなあとも思うのですが、おそらくは今後継続されるのでしょうから、それからが愉しみですね。

 本筋ではないのですが、新房監督の「『ほんとに連載できんの? ああほらやっぱり休載だ!』みたいなね。江戸川乱歩なんて大体そうですから。だからファンから見たらたぶんシャフトってそうなんだろうなって勝手におれは思うわけ。シャフトだからきっとこれに間に合わないぞ、とかね。そんな見守れ方っていうのもあると思うんです。…(中略)」ってところに、現在進行形の乱歩への愛情を感じました。そういえば乱歩って、すぐ休載して旅に出てしまう作家でしたもんねえ。当時リアルタイムの読者はどう思っていたんですかねえ。うーん、新房監督の少女探偵ものを見たいぞ!――私は、これらのインタビューのなかで、仕事がなかった時期があったから今は一本でも多く手がけたい、エヴァがあっていまの時代はなかった、まどか☆マギカは作っていて怖かった、ヒットは運がよかった、など言っていた新房監督にいちばん共感してしまいましたね。

Cut (カット) 2011年 06月号 [雑誌]

Cut (カット) 2011年 06月号 [雑誌]