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hoshi-itsu’s 本にまつわるblog

「ほしいつ」です。海外ミステリが中心のブログです。下書きがなくなってしまったのが悲しい……。

『服従の絆――デイヴ・ブランドステッター・シリーズ』ジョゼフ・ハンセン, 菊地よしみ訳, ハヤカワ・ポケット・ミステリ, 1988, 1991.

 ホモセクシュアルの保険調査員デイヴ・ブランドステッターシリーズ全12作中第10作目の作品。いよいよ残り少なくなってきました。デイブは保険調査員を体力の衰えなどから引退しようとしていたところから始まります。

 多くの老朽船があるマリーナに船上生活者のヴェトナム人が多く住んでいた。テレビ局に勤めているセシルは取材に行ったという。そのようなときに公選弁護人のトレーシーがデイブを尋ねてきた。トレーシーの異母弟でヴェトナム戦争の退役軍人のアンディ・フラナガンが、ヴェトナム人の実業家レ・ヴァン・ミンを殺害した容疑で逮捕されたので、アンディが犯人だと思えないので彼のの容疑を晴らしてほしいという依頼だった。デイブはマリーナ付近で聞き込みを始めると、アンディは罠に引っかかったというのだ…。レが殺害された現場では、その直後2人組の男が逃走したという目撃証言も得た。他の殺人事件も関連性があったらしい。そして暗黒街の元締めのドン・ファムから事件から手を引けと警告を受けた。さまざまな人間関係が絡み合っていく先には何があるのか?

 当時のおそらくヴェトナム戦争後に社会問題化していたヴェトナム難民を題材にしており、その問題点と矛盾が原因となった犯罪でした。文体は相変わらずの的確な読みやすい描写ですが、デイブが年をとったのか、マリーナ付近の関係者を訪れ、事件について聞くと、住人、歌手、曲芸師などが本当のこと、嘘のことを話し、それをデイブが別の関係者に聞いてウラをとるという繰り返しでした。ストーリーは複雑な人間関係で犯人を指摘するのも、まるでA・A・フェアのような推理的要素があるのですが、少し分かりづらく、それでももう一度読み直そうと思えるほど魅力的ではなく、☆☆☆というところです。もう少し軽みがあってもいいと思うんだけどなあ…。

服従の絆 (ハヤカワ ポケット ミステリ―デイヴ・ブランドステッター・シリーズ)

服従の絆 (ハヤカワ ポケット ミステリ―デイヴ・ブランドステッター・シリーズ)