ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

コミックエッセイの効用――『わが家の母はビョーキです』中村ユキ,サンマーク出版,2008/『わが家の母はビョーキです2 家族の絆編』中村ユキ,サンマーク出版,2010

 てっきりタイトルから毒親関係かなと思って手に取ったのですが、統合失調症の関連書でした。このような面白いエッセイコミックを読むと、エッセイコミックがしっかり一分野として確立されてるのがわかります。親子の物語であるとともに、夫婦の物語であり、病気の物語でもあり、病気のことをリアルに知ることができます。

 母親に幻聴が起きて、自分の忙しさから無下な対応をしてしまった主人公が、自己嫌悪と親への苛立ち、憎しみの感情をためてしまったとき、「イカン、イカン、すっかり心が黒くなっちまってる…」と自己分析して、「知識と仲間のコトバは心の昇華剤」の述べて、病気についての本や家族会の会報などを読むところなどは、あるあるネタなのでしょうが、大変ですよね。

わが家の母はビョーキです 2  家族の絆編

わが家の母はビョーキです 2 家族の絆編

わが家の母はビョーキです

わが家の母はビョーキです