野崎まど氏の第3作目の作品。なんと言ったらよいか難しいが、『アムリタ』同様に、思考論理のみで展開する哲学的なミステリでした。突飛な哲学書や科学書はしばしばSF的な結論に行き着いてしまうときがあるけれど、それを小説にしたらこうなるという感じだろう。ちょっとこのような味わいがあるものは少ないので、非常に嬉しい。翻訳すれば海外でも受けるのではないだろうか。また、とにかく最後まで読み終えると、まったくムダがないのが素晴らしい。すべてが伏線になっているのである。
死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死 (メディアワークス文庫)
- 作者: 野崎まど
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/10/23
- メディア: 文庫
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