第四の扉―ツイスト博士シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
- 作者: ポールアルテ,平岡敦
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/05/16
- メディア: 新書
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最初,通勤電車の帰りに読み始めたところ,1ページぐらいで「あれ,これ,ひょっとして読んだことないか?」と調べてみると,2年ぐらい前に読んでました。それでも「まあいいか,何となく面白いし。トリックもまったく思いだせないし」と読書継続。
憶えていないはずです。トリックも犯人の動機もバカバカしいものでした。
そういうわけで,普通の人にはお勧めではないけれど面白いです。こういう作品を評価したいですね。でもコニャックミステリ大賞(って,フランスの江戸川乱歩賞みたいな新人賞?)を受賞しているんですね。
ちなみに以下は,冒頭,主人公ジェイムズの部屋に,その妹エリザベスがノックして訪ねて,恋の相談するところ。
「さあ,拝聴しますって。この兄におまかせあれ」ぼくと妹は一歳違いだった。「悩みを解決してあげるから」
妹は大きくため息をつくと,こう打ち明けた。
「ヘンリーを愛しているの」
「気づいてたさ。でも……」
「ヘンリーもわたしを愛してるわ……」
「それも気づいていた」
「けど彼ったら,ものすごく恥ずかしがりやで,はっきり口に出してくれないの」
「しばらく様子をみてみろよ。いずれ……」
「でも,こちらからアプローチするなんてできないわ。わたし,そんな女じゃなくってよ。いったいどんな顔して言えばいいの! きっと,そこいらの軽薄な娘みたいに思われちゃうわ……だめよ,だめ。問題外だわ!」(11-12頁より)
この後,爆笑コントが続きます。さすが,アニメの『めぞん一刻』が好評を得た国の作品とうなっちゃいますよ。でも,これもトリックといえばトリックといえるのかな。ミステリ・オタ臭満載です。って,あるでしょ,日本にも,そういう愛すべきミステリ。