hoshi-itsu’s 本にまつわるblog

「ほしいつ」です。海外ミステリが中心のブログです。下書きがなくなってしまったのが悲しい……。

 『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』ギルバート・アデア、松本依子訳、早川書房、2006→2008(◎)

ロジャー・マーガトロイドのしわざ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1808)

ロジャー・マーガトロイドのしわざ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1808)

 タイトルのとおりクリスティの『アクロイド殺し』のパロディ的作品。書評などで評判がよいので手にとってみました。いや、素晴らしい作品。クリスティの新作を目指したらしいのですが、読者はクリスティの最上の作品とは言わないまでも、レベルの高い作品を念頭におくのでしょうから、難しいですよね。しかし、それは果たされている作品だと思います。

 1935年のイギリスのダートムアのロジャー・フォークス大佐邸の屋根裏部屋ででゴシップ専門のコラムニストであるレイモンド・ジェントリーが心臓を銃で撃たれて殺された。外は吹雪が激しく、警察を呼ぶことができない。そこで、近所に住む元スコットランド・ヤードの警部であったトラブショウに来てもらい捜査をお願いした。フォークス邸に滞在していた一人一人に尋問したところ、誰もがジェントリーに弱みを握られていたらしい。その途中、外を散歩中、フォークス大佐が銃で撃たれて、殺されるところを逃れてけがをしたのだが…。

 というわけで、閉ざされた雪山、密室殺人、一人一人の尋問、女流探偵小説家の推理など、舞台とスローリーはまさにクリスティのパロディ。あのトリックには、そういうのがあるんじゃないかと警戒していたのにもかかわらず、引っかかっちゃいました。最終頁を読んだあと、思わず、最初から戻って、確かめてしまいましたからね。著者にうまくごまかされてしまいました(でも、このくらいのネタは折原一氏がやっていそうな気がする)。

 恥ずかしながらこの作者アデアを知りませんでした。他の本も読んでみますかね。