hoshi-itsu’s 本にまつわるblog

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 『盗作の文学史』 栗原裕一郎、新曜社、2008

 本書は、小説などにかかわる文芸作品について、盗作事件となったものを集めたもの。このような側面から書くのは、非常に難しいけれど、筆者がとてもニュートラルな視点にたっていて、人間の嫌なエゴ的な部分がむき出しにならず、報じられたことのみを掲載している。もちろん、その資料の選別そのものが、ニュートラルではないかもしれないけど、本作からはそれを感じません。

 本書を読むと、盗作とは、法的に反する盗作と、モラルに反する盗作があることがわかる。その境界はどこにあるかが問題なのだろう。

 わたしの立場としては、文芸にせよ、映像作品にせよ、参考としたものは、すべて参考文献として示してあれば、ある程度は許容してもいいのではないか。

 文献掲載を嫌がる人々がいるけれど、別に作品そのものを貶めるものではないと思う。だから、とくにテレビなどは、書籍をネタとしたならば、エンドクレジットで10冊でも、20冊でも並べるべきじゃないのかなあ? もちろん、引用は引用文献としてわかるように表示する。

 そんなふうにして、なるべく表現をゆるゆるにしたほうが、楽しいんじゃないのかなあ。デリケートな問題です。

〈盗作〉の文学史

〈盗作〉の文学史