ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

 『双生児』 クリストファープリースト, Christopher Priest, 古沢嘉通訳、早川書房、2002→2007

 『魔法』『奇術師』においてミステリファンを魅了したプリーストの現在のところの最新長篇。第2次世界大戦後のイギリスとドイツを舞台にした歴史改変SF小説

 『魔法』『奇術師』は少なくとも2度は読みましたし楽しめたのですが、本書は正直その面白さがよくわからなりませんでした。私の第2次世界大戦時のヨーロッパの状況について、まったく基礎知識がないせいなのでしょうか。

 各章につき記述者あるいは一人称が異なり、それぞれが内容に矛盾しているため、「藪の中」的なもので真相を突き止めるものなのかなと思ったのですが、最後は投げっぱなし…。500ページの大著だと、読み返すのもなあ…、きついです。

双生児 (プラチナ・ファンタジイ)

双生児 (プラチナ・ファンタジイ)