元川粼フロンターレのFW我那覇選手のドーピング冤罪を受けるまでの物語。こう言っては不謹慎ですが、とにかく読んでいるときは腹が立って、そして涙が出るほど哀しくなって、勇気づけられる、中途で終えることができないほど面白いノンフィクションです。サッカー好きでしたら、文庫になったときにでも、読んでおいて損はありません。
これは組織論のお話でもあります。以下のJリーグ規定を読んで非常に驚きました。
Jリーグの規約も取り寄せて調べてみると、スポーツ界で比較的紳士的でオープンを言われているサッカーが、「チェアマンの決定はJリーグにおいて最終のものであり、Jリーグに所属するすべての団体および個人はこれに拘束され、チェアマンの決定を不服として裁判所その他の第三者に訴えることはできない」(Jリーグ規約165条)という日本の司法が及ばない独裁規定にも気がついていった。(184頁より)
それにしても、どうして川淵キャプテン、鬼武チェアマン、青木医事委員長の三氏は謝らなかったのでしょう。こんなことは謝れば済むことではないでしょうか。不思議です。
争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール
- 作者: 木村元彦
- 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
- 発売日: 2011/12/15
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