ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『ヤンキー経済――消費の主役・新保守層の正体』原田曜平,幻冬舎新書,2014

 ネット上で評判になった新書。135名のヤンキー層にインタビューして、いったい彼らがどのように生活を消費しているか、調査したものです。著者の目的は、「かつてのヤンキーが変容した形としての新保守層=マイルドヤンキーの実態と嗜好を明らかにします。また、彼らの特徴的な消費活動について考察し、彼らに受け入れられそうな商品やサービスのアイデアも提案してみました」(31頁より)というもので、あくまでも、思考ではなく嗜好なのがポイントです。マーケティング屋さんらしいですね。

 ヤンキーがもっている価値観というのは、本書では1980年代に顕在化されたと書かれていますが、かつてナンシー関が喝破したように、日本人が昔からもっている普遍的な価値観です。いや日本人だけではありません。本書を読むと世界的に共通している価値観なのではないかと感じます。