ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『凡人として生きるということ』押井守、幻冬舎、2008

 『勝つために戦え!〈監督篇〉』と『勝つために戦え!〈監督ゼッキョー篇〉』がやけに面白く、今でもたびたびつまみ読みをしているので、それに似た本書を購入したわけで。オヤジ論、自由論、勝敗論、セックスと文明論、コミュニケーション論、オタク論、格差論とテーマごとにぶっちゃけています。内容は、勝敗論に徹した「勝つために戦え」シリーズより盛りだくさんのはずなのですが、押井監督が自身でわかりきっていることをあえて説明したないためか(たぶん、説明しても無駄と考えているのでしょう)、抽象的になっているように思います。「若さに価値などない」「オヤジを目指して生き抜け」など、まあそうなんだろう、と。

 しかし、「勝つために戦え」シリーズは、昨年出版されたなかでも、まったく注目をあびていなかったように思いますが、とんでもない傑作エッセイ(評論ではない)だったのでないかと思います。一人の映画監督の強さ、弱さ、視点、戦略などが実体験をもって記されています。

凡人として生きるということ (幻冬舎新書)

凡人として生きるということ (幻冬舎新書)

勝つために戦え!〈監督篇〉

勝つために戦え!〈監督篇〉

勝つために戦え!〈監督ゼッキョー篇〉

勝つために戦え!〈監督ゼッキョー篇〉