本書は、著者にインタビューして、書籍の原稿を書き上げるブックライターの仕事についての本で、いかに質の良い原稿にするかが書かれています。
このような仕事がなぜ必要とされるか、出版に携わらない方にはピンとこないかもしれませんが、書籍や雑誌のためにニーズのある原稿を集めるためには、必要なんです。この人の話は価値がある、と誰もが認める人がいるのに、自分のことなど価値がないと思っている人がいるんです。または、文章が書けない、文章を書く時間がない、そんな時間があるくらいなら、本業を増やしたいという人がいます。
そんなのほっとけばいいのですが、質の良い、売れる商品を作りたい編集者や出版社がいます。そのようなときに必要なのです。
自分の勤めているところでは、あまりライターにお願いすることがないので、どのような依頼をしたらよいのか分からなかったのですが、本書で依頼をするとしたら、どのようにしたらよいのかが、よく分かりました。
例えば、一冊をもたせるためには、合計10時間のインタビューが必要であるとか。
売れる本の仕事をしたい、というのは誰もが考えることかもしれません。しかし、実際には売れる本になるかどうかは、世に出てみるまでわからない、というのが、私の印象です。(78頁より)
一般書は、そうなんですよね。まったく予測がつきません。ベストセラーの著者の第2弾ぐらいでしたら、通常より少し販売部数が上がるぐらいです(しかし、専門書はある程度、予測がつくんですよね)。
また、フリーのライターの仕事論としても読むことが出来ます。フリーでは、営業しなくてはならないと思っていたのですが、きちんとした仕事をしていれば、仕事が舞い込んでくるとしているのは、興味深かったですね。