みうらじゅん氏の今まで自分でやってきたことをまとめるビジネス書。まえがきで「本書が皆さんの仕事の役に立つことを願っています」と書かれていますが、そのとおりの内容となっています。
どんな仕事であれ、「やりたいこと」と「やらねばならぬこと」の間で葛藤することが多いと思われます。それは私も同じです。そこで肝心なのは、そのときに「自分ありき」ではなくて、「自分をなくす」ほど、我を忘れて夢中になって取り組んでみることです。新しいことはそこから生まれます。
という言葉には、「あのみうらじゅんでさえ、そうなのか」と心を打たれました。
また、接待が大切だと言うこと。かなり具体的に、その重要性と方法が述べられています。酒が飲めない、コミュニケーションができない私には向いていないのですが……。その代わり、私の考えたことは、コミュ障をある人にお願いすることです。文章を書く世界、研究をする世界には、そういう人の確率が一般世間より高いのです。まあ、それには限界があって、私は一流の編集者にはなれないわけですが。
しかし、本書の構成は、『中級作家入門』の松久淳氏ですよ。大槻ケンヂ氏の『サブカルで食う』も語り下ろしでしたが、このような自分の仕事についての本は、語り下ろしなんでしょう? いま別のマニュアル本を読んでいますが、それも同じです。こういうテーマは書きづらいのでしょうかねえ?