ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『インタビュー術』

インタビュー術! (講談社現代新書)

インタビュー術! (講談社現代新書)

インタビューで一冊書籍を編集してみたいと思って,インタビューの勉強のために読んだ本です。
インタビューの準備など方法論について詳細に書かれておりますので,とても役立つでしょう。…これからは,ノートをA5のリング式のものにします。
以下,著者が述べたいことと少し異なるのですが,興味深かったところをピックアップします。
●『AV女優 (文春文庫)』の著者である永沢光雄氏について―「あるポルノ誌のライターは『永沢さんは僕らにとって中田英寿みたいな存在ですから』と語っていた」(197ページ)
糸井重里氏のインタビュー本とその方法について―「糸井のスタイルには彼のコピーライターとしての特性がよくあらわれている。コピーライターの仕事とは,商品の宣伝文句を考えることではない。そのプロジェクトに関わる人々をつなぎ,プロジェクトに明確な方向(言葉)を与えていくのがコピーライターである」(205ページ)
とくに,コピーライターの仕事については,なるほどと思わず相槌をついてしまいました。恥ずかしいことなんですけどね。コピーって,語呂のよい言葉を考えることだけではないんですよね。考えてみればそのとおり。
他にも,重松清氏のゴーストライター本の作り方などが,よいエピソードがありました。