ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

[労働] 『雇用破壊 非正社員という生き方』

雇用破壊 非正社員という生き方

雇用破壊 非正社員という生き方

若年,中高年,女性について,フリーター,パート,派遣社員などの非正社員の労働状況とその問題について描かれてます。2005年発行でも,雇用状況が好転しつつある現在とは,少し状況の把握について,違和感を感じなくもないですが,有効性は持っているのではないでしょうか。
こういう労働について考えるとき,いつも嘆息してしまうことは,政治の経済界に対する弱腰であること,企業の社会的責任をとらないことですね。企業はもっとリスクを負うべきなのに,リスクを負わないこと,そればかり考えています。リスクと責任のバランスが悪すぎます。その象徴が,派遣社員という存在と精度です。クビにしたいときにいつでもクビにできる派遣社員という企業にとっての非常に都合のよい存在…。
労働するということは,どういうことなのか,労働者を雇うということは,どういうことなのか,根本的に考えてみなくてはならないでしょう。