- 作者: 藤川洋子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/05
- メディア: 新書
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最初の方でアスペルガー障害者による犯罪を示唆し,脳と犯罪の関係を示し,非行の変化しつつある原因について述べています。著者によると非行や犯罪の要因として,以下の三要因が挙げられるとしています。
- 生物的要因(脳の器質的障害)
- 心理的要因(家族との別離や学校内のいじめられ体験など,「子どもが罪を犯すのは,親の育て方のせいだ」)
- 社会・文化的要因(遊び仲間などの影響,「犯罪はつまるところ,社会悪の産物だ」)
このなかで,心理的要因,社会・文化的要因については,社会的合意がとれているのですが,さまざまな社会的制約から,生物的要因の考察がきちんとなされていないのだ,としています。これはパンドラの箱を開けるようなもので,著者は読者に対して誤解を与えないよう慎重な記述をしています。