2002年発表の作品で、第55回日本推理作家協会賞・第23回日本SF大賞受賞作。推理作家協会賞を受賞したからといって推理小説というよりは、半村良の系譜を継ぐ、伝奇小説であり、そういう流れで受賞したのでしょう。
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ナポレオンがエジプトに遠征していた時代、フランス人に献上するものとして、古代に作成された物語集ではどうか。その美しい稀代の書物『災いの書』は喪われてしまったが、探して、フランス語に翻訳することをたくらむ、エジプト人の奴隷アイユーブ。許可を得たアイユーブは、早速「偽書」の制作にとりかかる――。その物語は、「もっとも忌まわしい妖術師アーダムと蛇のジンニーアの契約の物語」から、毎夜毎夜20夜以上に渡って語られる…。