人文科学
ツチヤ教授が大学一・二年生の学生を対象にした講義をもとにした哲学入門書。非常にわかりやすい。ソクラテス、プラトン、アリストテレス、ベルクソン、デカルト、ウィトゲンシュタインなどについて、シンプルに具体的な例を挙げて語られています。ツチヤ教…
大学時代以来です。とても面白かった記憶がありましたが、今回は、面白さを感じたポイントがずれているような感じがしました。昔は、ソクラテスの論理展開が面白く頷きながらだったのですが、今回は「それは詭弁じゃね」なんてね……。何故、そのような道を選…
ようやく中巻が読み終わりました。外界からの刺激やそれと結びつく脳の機能、そして人間の心の中の現象を対比させることで、例えば、言葉から意識・心が生まれたと仮説するように、心の仕組みはどうなっているのかを導きだそうとしています。本巻では、外界…
著者のピンカー氏は新聞などの書評の紹介記事から、ウィキペディアで検索したこともあり、以前から気になっていました。とくに脳科学のある禁忌について語っているところが。そのためか、あまり日本では信用されていませんが。 『心の仕組み』は上・中・下巻…
日常型心の傷とは以下の通り、昔からあったと思われるが、現代特有の状況によって生じる心の傷のことらしい。その多くの原因は、人間的つながりの希薄化としている。 小田部(2009)によると、生命の危機に結びつかない精神的暴力・虐待・嫌がらせに悩む人々…
内田樹先生による日本人論。一読して、うーんと唸ってしまいます。その通りかもしれないと同意するけれど「だったら一体どうしたらいいっちゅうねん」と困惑してしまいました。なぜなら、日本人の考え方は効率的なのだからそのままでよいのだと言っているの…
タイトル通り、闇サイトをもとにする事件を集めたルポルタージュ集。「闇の職安」名古屋OL拉致殺害事件、闇のハローワーク妻殺害未遂事件、なんでも屋サイト嘱託殺人事件、ネット掲示板家族殺害依頼事件、駆込寺殺人依頼事件などの殺人依頼サイト、自殺系サ…
前回までマンガが続いていましたが、今回は一転して久しぶりの新書です。新書といえば、このところベストセラーが現れず苦戦しているかな、もうブームは終わりかなと外野の立場から危惧したりしていたら、勝間氏のコミュニケーションの技術書や香山リカ氏の…
〈異人殺しのフォークロア〉をキー・コンセプトにした論文集である古典。「異人」とは「民俗社会の外部に住み、さまざまな機会を通じて定住民と接触する人びと」(13ページより)のことをいいます。その異人殺しをメインとした民話を元に、どのような民俗だ…
特集が「福祉と科学の新しい関係――身体・脳・マシン」というもの。「バリアフリー科学のすすめ」「脳科学からの提案」「脳損傷による知性と感性の乖離」「脳と機械をむすぶ」「人工内耳と脳の柔らかな関係」「バリアフリーとヴァーチャル・リアリティ」「視…
「脳は孤立した存在ではなく、身体を支配し、逆に身体に支配されます」(5ページより)という、いわゆる認知心理学(でいいのかな?)の入門書。「身体(姿勢、感覚器)を通した外界との相互作用の経験の総体=順応の過程」を意味する「脳の来歴」が重要で…
「なぜあなたは太り、あの人はやせるのか」「教師の質はなぜ低下したのか」「セット販売商品はお買い得か」「銀行はなぜ担保をとるのか」「お金の節約が効率を悪化させる」「解雇規制は労働者を守ったのか」などの問題について、27のケースごとに、経済学の…
メタ認知とは、「認知についての認知」と定義される。この特集は、その基礎的な知識から、教育現場におけるメタ認知の育成の方法まで、幅広くとらえられている論文集。その内容は専門用語が多く難しいので、興味のあるものだけ流し読みです。 とくに興味深か…
家族社会学の第一人者の山田先生の少子社会論。発行は2007年ですが、内容は古びておりません。なぜならば、政府や行政など国は、まったく少子社会対策を立てていないからです。 少子社会を考えるとき、どうしても現れるのが、世代論。とくに団塊世代と団塊ジ…
パチンコビジネスについて書かれた本。著者はダイナムという大手ホール企業に14年間勤務していた元業界内の人。内容については、ネットなどでパチンコについて、常時情報収集している人ならば、だいたいが知っていることですが、まったくパチンコ産業につい…
脳の仕組みを理解するものとして「予想脳」とう概念仮説を解説したもの。おおざっぱに言ってしまえば、人間の脳は物事を予想して判断処理をしているという考え方(たぶん正確ではない)は、演者は忘れてしまったけれど、数年前に行われた脳と運動の講演にお…
「脳・意識・文明」という特集タイトルに惹かれて購入。毎日少しずつ読んでいたのですが、このような人文系からの脳へのアプローチはほとんどSFですな。めちゃめちゃ面白いっす。 「意識」がどのようなものなのか、どのようなメカニズムなのかを解明するため…
中国における日本のアニメ=動漫の大流行とその理由と影響がいかに大きいかを記した大著。著者は、1941年生まれで老人とも言える年齢で、400頁をオーバーする分量があるのですが、文章に癖がなくが上手いのでスルスル読むことができます。おそらく、こんな感…
私は本書を「第14章 公的機関における企業家精神」について知りたいと思って手にとった者です。公務員などの利潤を追求しない組織において、どのようにして変革していったらよいのか、その方法論を求めていました。 「公的機関は、イノベーションや新しい事…
まあこのような本を購入してしまうのは、こころが弱くなったときですね。こういう自己啓発書を読む人を莫迦にしていたのですが、最近いろいろ疑問が多くなって、いくら自分で考えてみても、自分ひとりで鬱々としているよりは、先人の考えをそのままトレース…
経営思想家ドラッカーの資本主義社会後の世界について語った書。この資本主義社会でいわゆる勝ち組になるには、専門性ともいえる知識が必要ではないかなと常々思っておりまして、でもそれが富の集中と結びついている、いわゆる行き過ぎた知識社会も間違って…
このようなワンテーマにまつわる編著の書籍・雑誌って、割合好きだったりします。さまざまな視点で語られるため、そのテーマの全体像について、コンパクトにまとめられており、また興味があるところのどこから読んでも良いものだからです。例えば、昔の宝島…
日本溶解論―この国の若者たち作者: 三浦展,スタンダード通信社出版社/メーカー: プレジデント社発売日: 2008/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (16件) を見る■オッサン世代の考えを知る いったい、筆者は何を知りたいのか分…
普通の家族がいちばん怖い―徹底調査!破滅する日本の食卓作者: 岩村暢子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 54回この商品を含むブログ (46件) を見る 新聞等の書評でいくつか好意的に取り上げられて,内容に興味をも…
地方を殺すな!―ファスト風土化から“まち”を守れ! (洋泉社MOOK)出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2007/10メディア: ムック購入: 4人 クリック: 118回この商品を含むブログ (11件) を見る 三浦展氏が命名したところの「ファスト風土」の問題点とその対応策につ…
寝ながら学べる構造主義 (文春新書)作者: 内田樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2002/06メディア: 新書購入: 43人 クリック: 418回この商品を含むブログ (343件) を見る 構造主義という言葉は聞いたことがあるけれど,どんな意味なのかよく分からないとい…
進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)作者: 池谷裕二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/01/19メディア: 新書購入: 49人 クリック: 230回この商品を含むブログ (257件) を見る 「中高生と語る「大脳生理学」の最前線」とあ…
異界を覗く作者: 小松和彦出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 1998/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 異人・異界・妖怪研究について書かれた論文集です。普通とは何か,異人とは何かが書かれているような気がするというか,それが知りたく…
若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか作者: 渡邉正裕出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2007/02/23メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 5人 クリック: 111回この商品を含むブログ (63件) を見る 徹底的に現役社員にインタビュー調査を行って,その…
団塊格差 (文春新書)作者: 三浦展出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/03メディア: 新書 クリック: 15回この商品を含むブログ (9件) を見る 同じ著者の団塊世代について書かれた書籍2冊。この著者の分析方法はデータに裏打ちされていて明快で分かりやす…