ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『死者との誓い』

死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

死者との誓い (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

ブロックは小説として,ある意味到達点に達しているといってよいと思います。訳者のうまさもあるのでしょうが,きわめて平易な語句を用いて,リズムがある,この世界にしっとりと入り込むことができますね。ハードボイルド小説としてはお勧めです。
それでも,ブロックの最高傑作かと問われると,そうでもないよなあ,なんて思ってしまいますが。ここまで書いたところで,宝島社の『このミステリーがすごい』を調べてみましたら,1995年度の海外ミステリの第3位なんですね。評価高かったんですねえ。
けど,ミステリとしてはどうなんでしょう? やはり弱いとしか言えませんねえ。ブロックだから許されるんだと思うんです。