ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『声に出して読めないネット掲示板』

声に出して読めないネット掲示板 (中公新書ラクレ)

声に出して読めないネット掲示板 (中公新書ラクレ)

まあ,エッセイですよね。それでも,このような言説が嫌な人々が多いんでしょう。そういう人は,著者の最も乗せられてしまったんでしょうね。いわゆる「釣り」というやつでしょう。『無教養な田舎もの』という言葉の使い方など,それを表していますよね。

本書は,いわゆる2ちゃんねるに表出されることから判断される若者論(なんですか?)。あまりにも著者の印象で語られていることが多いため,批判はたくさんあるのでしょうか,それでもネット掲示板の一面を語っていると思います。

わたしは,2ちゃんねるに書き込むことはほとんどありません。ROMしているだけなんですけど,常々不思議に思っていたことに,あの罵詈雑言を書く人っていうのはどんな人なんだろう,というのがありました。

いろいろ考えたんですけど,結局,暇な人だからと自分の中で結論づけました。というのは,さまざまな立場の人がいて,○○な人としても,きっぱりした結論はないだろう,と判断したわけです。手軽に書き込みしているだけなのかも知れませんし。

そういうなかに著者は,「在日ではなく,女ではなく,低学歴ではないものの,しかし低所得な人間」ではないかと,『インポ』に類するような言葉を用いて,類推しています。その正否はともかくですが。