日本の妖怪のなかの主要な妖怪をやさしく紹介したもので、誰でも理解できます。酒呑童子、玉藻前、是害坊天狗、崇徳上皇、紅葉、つくも神、大嶽丸、橋姫の物語を紹介し、それを民俗学見地からルーツはどこにあるかを推理するという体裁をとっています。
たとえば、酒呑童子でしたら、「彼ら鬼たちは龍神=大蛇=雷神のイメージを重ね合わせており、酒呑童子が大酒飲みと描かれているのは、近江誕生説にしたがえば、彼がヤマタノオロチ=伊吹明神の血を引く異常な「人間」であったからである。」(38頁より)とし、酒呑童子の怨念は被征服民の魂の叫びであると述べています。
- 作者: 小松和彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1995/07
- メディア: 新書
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