ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『プロタゴラス―あるソフィストとの対話』プラトン, 中澤務訳,光文社古典新訳文庫,2010

 光文社古典新訳文庫は当初『カラマーゾフの兄弟』のような文学作品から始まったような印象を受けますが、実際調べてみると、文学作品のみならず、哲学書など古典ならば何でも新訳をしているようです。でも、文庫ですから、ある程度の売り上げ部数を見込める作品を選択しているのでしょうけれども、どのようにその部数を見込んでいるのでしょうか知りたいところです。

 本書の舞台は、紀元前5世紀、古代ギリシャ都市国家アテネソクラテスソフィストプロタゴラスとの「徳(アレテー)」について、一体何であるのか、教育することができるのか、対話形式で述べられたものです。最後には、ソクラテスの質問にプロタゴラス自身がソフィスト的な考え方を否定させてしまうという皮肉な結末になっています。

プロタゴラス―あるソフィストとの対話 (光文社古典新訳文庫)

プロタゴラス―あるソフィストとの対話 (光文社古典新訳文庫)