- 作者: 連城三紀彦
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 1998/07
- メディア: 文庫
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「推理コレクション」とありますが,本書は,推理臭はあまり強くない短編を集めたもの。幻想臭が強く「奇妙な味」的な短編です。非常にアクが強く面白く,そういうものがお好きな方でしたらお勧めですね。
本書を読みながら,「リアリティ」というのは一体何なのだろうと強く思いました。どの短編も,非常に非現実的な事件ばかりですが,連城氏の平明でありながら,一種異様な闇(くら)さを感じる文体にかかると,「リアリティ」とドロドロした暗闇の中にいるような感じがします。そして最後に「人間ってこんな奇妙な人生を生きることがあるのだ」とため息をついてしまいます。