海外編100冊のうち既読は82冊。国内編102冊のうち既読は62冊。わたしは国内編は江戸川乱歩や横溝正史など古典をあまり読んでいないのです。今頃綾辻氏を読んでいるくらいだしね。
本企画は、投票者のすべての投票内容を掲載していただければベストでした。電子版には掲載されているのかでしょうか? それがなくてはベストとしては意味がないし、ブックガイドとしては自分と同傾向のある投票者がどのような作品を選択しているかが愉しみなのですが。
結果は正直言って「偏っているなあ」という印象です。クリスティ(『ABC殺人事件』なんてメチャクチャな連続殺人でサイコもののはしりと言っていいけど、取り上げる必要がある?)とクイーンが多すぎですよね。リューイン、パトリシア・ハイスミス、エルモア・レナード、レジナルド・ヒルなど入るべき作家が抜けています。冒険小説系は全滅です。マクベインやガードナーも消えてしまいましたね。
ちなみに海外編のマイベストは先日アップしましたが、国内編のマイベストは順不同で以下のとおり。近作あるいは最近読んだものが多くなりました。
- 『宵待草夜情』連城三紀彦……すごいと思う。戦後ナンバー1のミステリ作家ではないでしょうか。
- 『火車』宮部みゆき……意外と退屈なのですがラストシーンが素晴らしいので。
- 『魍魎の匣』京極夏彦……『絡新婦の理』もベスト10クラスなのですがインパクトでこちらを選択。
- 『私が殺した少女』原寮……チャンドラーというよりもロス・マク。原氏の作品はチャンドラーよりもリーダビリティが非常に高い。今後ミステリが一般までにブレイクするとしたら、原氏の作品から影響を受けた作品になると思う。また、原氏はまだ代表作を書いていないと感じる。ストーリーがわからないけど素晴らしいといいようがない作品を待っています。
- 『猛き箱舟』船戸与一……エンタメ小説の最高峰。
- 『リヴィエラを撃て』高村薫……海外スパイ小説に肩を並べるのはこの作品のみ。警察小説などやめて、この分野に戻って欲しい。
- 『奪取』真保裕一……なぜアニメにしないのだろうか? まあDVDは売れないか…。
- 『煙か土か食い物』舞城王太郎……作者が書かずにはいられなかった小説。
- 『占星術殺人事件』島田荘司……あの謎解きミステリ不遇の時代に忘れることができない大トリック。
- 『くわえ煙草で死にたい』都筑道夫……誰1人挙げないだろうけど軽ハードボイルドの代表作として。
週刊文春臨時増刊 東西ミステリー ベスト100 2013年 1/4号 [雑誌]
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海外ミステリマイベストは以下の通り↓。
『東西ミステリーベスト100』文春文庫,1986 http://d.hatena.ne.jp/hoshi-itsu/20121104