著者はボランチのサッカー日本代表選手。流通経済大-川崎F-サンタクララ(ポルトガル)を経て、現在スポルティングに属する。ワールドカップ後のユーチューブでの戦略を具体的に語っていたインタビューが印象的で興味をもつ。
「ずる賢さ」=マリーシアというものがどのようなものか、技術として具体的に解説しています。
- ピッチ上では「役者」になれ
- 努力してないフリで差をつける
- チームメイトはあえて褒めて油断させる
- 「見えていないフリ」をして逆を突く
- わざと「ダメ選手」のフリをする
- スルーパスは目線と体の向きで「騙す」
というようなもので、ずる賢さとは異なるような気がします。いわゆるサッカーにはフィジカルや技術、戦術を理解する頭の良さなどが評価されますが、それだけでなく「心理戦」「駆け引き」が重要なのだ、と主張している感じがします。その心理戦は、試合相手だけでなく、味方も練習時も日常生活においても、必要なのだということです。この心理戦という言葉は必ずしも一致していないのですが、「ずる賢さ」というとどうしてもネガティブな印象をもつので、勝つための戦略や技術といいかえたがほうが、いいのでしょうね。
書籍としては、もう少しサッカーに詳しい人が内容を引き出してほしかったですね。ビジネス書ならこれでいいんでしょうけど。