竹林で65歳の西島という男の死体が埋められているのを発見された。現場周辺に西島のものらしき軍手の裏側に油性ペンによる黒い二つの点がつけられていたものが落ちていた。西島には家族も身寄りもなく孤独であり、死因は殴打によるくも膜下出血だったことから、何かトラブルに巻き込まれたものと思われた。
捜査一課は、同じマンションの女の樫山に聞き込みをしたところ、彼女の眼が泳いでいたことから、疑わしいと判断し、再び樫山のマンションに訪れたところ、あっさり自らの殺人を自供したのだった。
その前日のことである。右京は風邪を引いていたため、知り合いから結婚詐欺による自殺を図ったとの若い女の訴えに対処するよう神戸に依頼した。その結婚詐欺の相手が戸倉という男であった……。
さらに、その前日のこと、特命係に対して、貴重品のネックレスが盗まれたと訴える家族。右京は、質屋を調べるとその値付けを訊いてきた男が西島とわかった。そのネックレスは、戸倉がもっていたものと同じものだった。戸倉と西島の線がつながり、右京と神戸は、戸倉の恋人である樫山に尋問を行った。
冒頭に逮捕のシーン、その前日の出来事、そのまた前日の出来事を述べるというように工夫された構成になっています。なぜ、犯人はあっさり自供したのかという謎をすえているところが新しい(単に私が知らなかっただけだと思うけど)。だけどもうちょっとオドロキとサスペンスが欲しいかなというところで、☆☆☆★です。