また、東西ミステリーベスト100が出版されるらしいですね。前回のアンケートのときは私も高校生でブックガイドとして本当に重宝しました。それで私もあまり多く冊数を読んでいないのですが、あまりベストとか考えたことがないので、この機会に選んでみました。
実際に考えてみると選択の基準が非常に難しいですね。まず選びたい作家が挙げられます。つぎに、その作家の代表作にするか、それとも好きな作品にするか。やはりチャンドラー、ロス・マク、ブロック、リューインは外したくない。それから、シリーズものは飛び抜けた作品がなければ外さざるを得ません。最後に印象的な作品を選択しました。以下は順不同です。なんだかんだで25作になってしまいました。
- 『長いお別れ』『ロンググッドバイ』レイモンド・チャンドラー……好みとしては『さらば愛しき女よ』のほうなのですが、さまざまな読み方ができるという点でこちらに。
- 『さむけ』……ロス・マクドナルドロス・マクの作品でしたらどれでも良いのですが、とりあえず代表作。
- 『八百万の死にざま』ローレンス・ブロック……ブロックの中からなら『八百万』がいちばん。
- 『A型の女』マイクル・Z・リューイン……シンプルな文体、シンプルなストーリーなのに素晴らしい。
- 『アクロイド殺し』アガサ・クリスティ……トリックとは何かという議論を起こしたという意味で。
- 『クリスマスのフロスト』R・D・ウィングフィールド……とにかく読むのが楽しいエンターテインメント。
- 『It』スティーヴン・キング……長すぎるのですが、これがもっとも好きなんです。
- 『興奮』ディック・フランシス……『本命』『大穴』などもOKですが。
- 『もっとも危険なゲーム』ギャビン・ライアル……『深夜プラス1』ではなく。
- 『百番目の男』ジャック・カーリイ……近年の謎解き+ホラー+キャラものの傑作。
- 『緋色の記憶』トマス・H・クック……視界がぐんにゃりする瞬間が鮮やか。
- 『ビッグ・ノーウェア』ジェイムズ・エルロイ……エルロイでしたらロス・マク風味の本作品は傑作だと思います。
- 『招かれざる客たちのビュッフェ』クリスチアナ・ブランド……短編集の最高峰。「婚姻飛翔」は傑作。
- 『フィッツジェラルドをめざした男』デイヴィッド・ハンドラー……名作とは言えないけどシリーズものの代表作として。またこのような作品をもっと読みたい。
- 『スリーパーにシグナルを送れ』ロバート・リテル……ジグソーパズルがはまる瞬間がたまらない。
- 『燃える男』A・J・クィネル……とにかく燃える。
- 『ローフィールド館の惨劇』ルース・レンデル……レンデル作のなかではもっともベタだけど、冒頭一行目は忘れられない。
- 『あなたに似た人』ロアルド・ダール……「南から来た男」は小説でもテレビでも驚いた。
- 『復讐法廷』ヘンリー・デンカー……法廷はゲームであることを示した作品。
- 『レッド・ドラゴン』トマス・ハリス……『羊たちの沈黙』より『レッド・ドラゴン』派です。
- 『スティーム・ピッグ』ジェイムズ・マクルーア……タイトルの秀逸さ。
- 『ジャッカルの日』フレデリック・フォーサイス……淡々と計画を履行するプロフェッショナルな犯人、それを説明する冷静な文体。
- 『野獣の街』エルモア・レナード……警察+西部劇の傑作。
- 『薔薇は死を夢見る』レジナルド・ヒル……ヒルは選びたい。
このなかで10作を選ぶとなると、以下のとおりで、うーん若い頃に読んだものに偏っていますなあ。
- 『長いお別れ』(『ロンググッドバイ』)レイモンド・チャンドラー
- 『さむけ』ロス・マクドナルド
- 『八百万の死にざま』ローレンス・ブロック
- 『A型の女』マイクル・Z・リューイン
- 『アクロイド殺し』アガサ・クリスティ
- 『クリスマスのフロスト』R・D・ウィングフィールド
- 『興奮』ディック・フランシス
- 『もっとも危険なゲーム』ギャビン・ライアル
- 『ローフィールド館の惨劇』ルース・レンデル
- 『野獣の街』エルモア・レナード
- 作者: 文芸春秋
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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