ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『たかが殺人じゃないかーー昭和24年の推理小説』辻 真先,東京創元社,2020ーー密室殺人とバラバラ殺人

  巨匠の辻氏の新作で『ハヤカワミステリマガジン ミステリが読みたい! 2021年度版』『このミステリーがすごい!2021年度版』の両方で1位の作品。

 戦後の新制高校の3年生が舞台。推理小説研究会の風早勝利は同じ会に属する響子が気になっていた。そんなとき密室殺人事件とバラバラ殺人事件の2つの事件が起こり,双方とも研究会の面々が死体を発見して通報していた。犯人は研究会に関係する者なのか?

 正直どういうわけか内容が頭に入ってきませんでした。描写がハードすぎて少なかったからなのかと思いましたが,同時期を舞台にしていた小林信彦氏の作品ではそのようなことはありません。一つ目の密室殺人のトリックは全く推理できませんでした。おそらく本作品は謎解きミステリマニアの急所に刺さる小説だったのではないかと思い,☆☆☆というところです。 

たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説